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18歳選挙権 鼎談

18歳選挙権、そして政治についてのリアルな気持ち。

2015年6月、改正公職選挙法が成立して、選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられました。

先の参議院選挙にて、初めて「18歳選挙権」が施行されたのです。
これで、日本で行われるあらゆる選挙に未成年者が参加できることになります。

という現状において、リアル「20歳以下」は一体なにをどう考えているのか?
そこで、大和大学で政治経済学部を専攻する政治意識の高い学生お二人に、今の気持ちを聞いてみました。

学長「二人とも政治経済学部を専攻しているけど、下田くんはもともと政治に関心があったの?」

下田「あるにはあったんですが、今ほどではなかったです。僕の場合は入学後、衆議院議員の事務所へ、勉強としてインターンシップに行かせて頂いたのがきっかけですね」

- - - - - そこでどういうことを学びましたか?

下田「そうですね、例えば……政治というと、テレビで見る国会中継など自分とは遠く離れた世界で行われているイメージでしたが、直接政治家の方と触れ合うと、地元の方々との関わりや地域の政治活動などをすごく大切にしていることに気付かされました。これまで目に見えなかった世界をリアルに知ることでぐっと興味が深まった、という感じです」

朝日「私の場合は、元々興味があったんだと思います。家のテレビでもよく、国会の生中継とかワールドニュースとかがついてたんですよ(笑)」

学長「政治への関心を持つには恵まれた環境だったのかもね(笑)」

朝日「そうだと思います。今、政治への関心を持つには良いタイミングだと自分では思っていて。日本に限らずですけど、今は何かと転換期を迎えているので。その中で、私一人ではそこに深く関わったり、そこを深く知ることに限界があると思うんですね。でもこういう政治経済学部の政治行政学科を選ぶことで、特任教授によるリレー講座や、企業の幹部による実学講座などで生の政治家の方の声を聞いたり、日本経済を牽引している人の話を聞いたりもできるし……。日々の授業で政治のこと、経済のこと、ひいては世界の動きを知ることができるんじゃないかなと思います」

下田「確かに、政治を学ぶのにはすごく良い環境だと思います。朝日さんが言うように直接政治家の方の話を聞くのって刺激になるし、視野が広がります。あと、当然ですがクラスにいる同年代の子が政治への関心が高いのも嬉しいですね」

- - - - - そんなお二人にとっては18歳選挙権が施行になったのはもちろん喜ばしいことでしょうね。

下田「それはもちろん! やっぱり政治に興味がある子もいるし、投票したいと思っている子もいるんですよ、周りに。18歳以上・20歳以下の240万人の中で何人がそう思っているかわからないですが、少なくとも政治に活かされる票はあると思うんですよね」

学長「中には17歳・16歳でそう思っている子もきっといるはずだからね」

下田「はい。将来的にはその辺りの年齢にも手を広げて、政治に活かされる票を拾い上げる国になってほしいと思います。その手始めとして、今回の年齢引き下げがあったのは日本にとって大きな一歩だと思っています」

学長「なるほど。朝日さんはどう思う?」

朝日「私も年齢引き下げになったのは嬉しいですね。高齢化が進んでゆく日本において、20歳以下の若年層の票を取り入れるということはもちろん、若年層の思いも政治にどんどん取り入れてゆくということにつながるはずですから。そういうふうに高校生から選挙権を持つということになれば、学校教育そのものも変わるんじゃないかな、って。今は政治の仕組みとかがあまり教えられていないけれど、それ自体もいい方向に変革していくんじゃないかと思います」

学長「文部科学省も主権者教育を推進しはじめたね。それも18歳選挙権がきっかけだからね。これをきっかけにして、ようやく政治教育が日本でもなされ始めたよ。諸外国ではもう当たり前だけどね。日本は政治教育が立ち遅れているから」

下田「だから政治への関心が全国的に高まるというのは何よりいいことだと思います。日本における政治家の視野も広がるはずだから。国民がいつも何を考えて暮らしているか、ということも政治家はいつも考えなくてはならない、それが今までは20歳以上だったのに18歳以上になったわけだから。……でもその18歳の考えを、政治家はどこまで組んでくれるのか、については正直、若干不安です」

学長「確かに、今まではあまり考えてなかっただろうね。日本の政治・行政はややお年寄りに向いているから。それもやっぱり、政治への意識が高い年齢層が中高年からお年寄りに傾いている、といったことが原因なんだけれど。でも有権者になったのなら考えないわけにはいかない。政治家は、常に有権者の気持ちに触れていたいと思っているから。だからこれからの政治家はどんどん学校へ足を運ぶだろうね」

朝日「有権者の年齢が引き下げになったのだから、もちろん私たちの生活にリアルに響いてくるような公約も生まれると思うので。そういったこともすごく楽しみですね」

- - - - - 18選挙権にデメリットのようなものがあるとすれば、どんなことでしょう?

学長「18歳選挙権導入の話が持ち上がった時に、反対論者がいたんですよ。18歳にはまだ政治は早い、という理由で。まだ年齢的に未熟だから、その一票が間違った判断で入れられるんじゃないか、ということですね」

下田「でもそれはあくまで大人側からの意見ですから。18歳でも投票したい、という意志を持っている人間なら、むしろ20歳以上の人間よりも意識は高いと思います」

学長「そうだね。だから本当に年齢うんぬんは関係なくて、政治は“有権者と政治家”でやるものなんだよ。年齢じゃなく、“その一票の価値と重み”を理解している人と政治家が日本を創ってゆくわけだから」

朝日「18歳は確かに未成年ですが、それは40年くらい昔と比べて大人たちが、18歳以下が子どもであることを寛容に許してくれているからだと思います。学生運動が盛んな時代とか、それこそ高度経済成長期なんて18歳が子どもでいられなかった思う。国のことや、社会のことにもっと関心を持ってたはずなんですね。それが今までの間で失われて行っているのを、また私達が取り戻していけたらと思います」

学長「確かに大人としての自立はずいぶん早かったと思うね、昔は。だからこそ18歳選挙権をきっかけに、一票の重みと大切さを感じて、大人としての気持ちを育ててほしいですね」

- - - - - お二人はこの大学で政治を学び、その知識を将来にどうつなげていきたいと考えていますか?

下田「政治と経済を一体のものとして両輪で学んでいって、政治と経済が密接になっていることを十分に理解した上で、政治に熟知したビジネスマンになりたい、と考えています」

学長「政治に無頓着で経済活動なんて、本来はできるものではないからね」

下田「政治に無関心なのは、ある意味自分たちの生活を放棄しているようにも思えます。例えば税金の使われ方なんかも完全に政治の領域ですから。自分達が義務として払っているお金がどこで使われているか、お金を払っているのにその先のことに興味がないなんて変ですよね」

朝日「例えば、大阪の私学の授業料がタダになったのも、全部大阪府議会で決まったことですもんね。そういった学校での営みも全部政治で決まっていきますからね。私達がそこを知らずにいるのはもったいないですよ」

学長「もちろんそれもあるし、あとは政府と国民と政治家のパワーバランスとかも知っておくべきだね。基本的に、政府は国民に対して強い。国民は政治家に強い。政治家は政府に対して強い。という三すくみで世の中はうまく回っているんだよ。そういったバランスというか、経路を熟知するということも“政治を知って経済活動をする”ということになるよね。政治経済学部ではそういうことを学べるね」

- - - - - 朝日さんは、大和大学で学んだ政治知識をどう役立てたいですか?

朝日「私も下田くんと同じです。政治と経済が密接につながっていることを学べるのが特徴だと思うので、経済の有り様とか政治の仕組みを学んで、自分といかに関わっているかを理解した上で、社会において使命を持って働けるようになりたいですね」